あの日の朱雀




「夕空。着いたらさ、大型スーパーに行きたいんだけど。」



「大型スーパー…?」




不安になっているせいか、小さな声しかでない。




「うん。買いたい物あるんだ。一緒に行こう。」




そう言って、とびきりの笑顔を見せてくれた。




「夕空は何か欲しい物、ないか?」



「欲しいもの…」




すぐには思いつかなかった。



桂馬さんのお母さんから貰ったお小遣いでは、高いものは買えない。




「おふくろケチだからな。俺がおごってやる。」




桂馬さんのお母さんは、朱雀さんのお母さんとは違った。



おとなしそうで、あまり口を利かない。



朱雀さんのお母さんとは正反対だ。



あまり私の事も好きではない。




「いいです。自分で出しますから…」




私もお兄ちゃんからもらったお金がある。



おごってもらう事はできない。