「夕空~!!うわぁぁぁぁあん!!」




8月30日。



夏休み終了まであと2日。



時刻は夕方5時。



目の前で泣いているのは、最近髪を切った朱音君。




「ど、どうしたの?」




おばさんの手伝いをしていた私は、手を拭いて朱音君に近づく。




「父ちゃんが~!!夏祭り連れてってくんないぃ~!」



「夏祭り?」




涙でぐしょぐしょの朱音君。




「近所で毎年やんのよ。花火も上がってね。」




お姉さんがタバコに火をつけながら言う。




「そうなんですか…で、なんで連れて行ってくれないの?」



「グスッ…しゅ、宿題…終わって…っく…ないから…」




あらら…



これは朱音君が悪いわ。