今にも泣き出しそうな白雪姫に、女王様は黙ってしまいました。 ぼぅっとした様子で、手の中の毒林檎を見つめます。 白雪姫が相手なら、林檎を食べさせることなど、何とでも出来ます。 これを食べさせれば、白雪姫は死ぬ。 白雪姫が死ねば、女王様がこの世で一番美しい存在になれる。 何も、迷うことなど無い筈なのに、女王様はただ黙ったまま、林檎を見つめるばかりです。 「………っ!」 ついに決心し、女王様はそっと、白雪姫に向かって、手を差し出しました。