君に触れたくて…





「そしてあたしはそれを利用した。前から好きだったの、理音のこと」



「……」



「あなたの存在も知ってた。知ってて、利用した」



「……」



「あたしって最低でしょ?」



「………いえ」



「でも…そろそろ潮時」



「…え?」



「あたし今日ね、理音と別れる」



「え…なんで、ですか…」



「理音はあなたが好きだから。あたしは傍にいられない」



「そんな…」



「あなたも、自分の気持ちに正直に生きて?」



「………」



「よし、そろそろ出なきゃ」




あたしは席を立つ。




「お邪魔しました」



「あのっ…」



「ん?」



「理音はきっと、あなたのことを大切に思ってます。本当に大切な人なんだと思います」