「もう!理音起きてっ」
眠たい目で辺りを見回す。
少し怒った様子の梨加。
「今日は天清祭に行くんじゃないのっ?」
そうだった…
昨日智樹から連絡あったことを
俺はすっかり忘れていた。
“絶対来い”とかあいつまじふざけてやがる。
大きな欠伸をし、出かける支度をする。
自分が退学になった高校の学園祭に行くなんて、俺まじバカだな…
俺は苦笑をもらした。
梨加をバイクの後ろに乗せ、自宅から30分ほどの天清学園へと向かう。
智樹からは“10時に来い”と言われていたが、俺が起きたのは生憎11時だった。
「理音のバイクはうるさいから目立つ」
不機嫌な梨加が、バイクを降りた途端に言い出した。
