君に触れたくて…





「睨むってことないでしょ!」



「うっせーなぁ!」




ムカつく…


ガンッ



机を力いっぱい蹴り飛ばす。




「指図されたくねぇんだよっ!!」




俺は涼子を睨みつけ、教室を出た。




「くそっ!」




何でこんなにイライラするんだよ。



「理音っ!」




後ろから愛しい人の声が聞こえた。



俺の足が自然に止まる。
でも、振り向かない。



お前の顔を見たら、抱きしめたくなる…




「あのっ…あたし、理音に何かしたかなぁ?」




今にも泣きそうな声で呟く。



あぁ…ダメだ…愛しい…お前が…




「何もしてねぇけど」



「じゃぁなんで!」



「あのさぁ」




後ろを振りかえる。