バシッといい音をたてて、 でこピンされた額を押さえながら ごめんとだけ謝った。 いや…でもこんなおもいっきりやらなくても…(泣) 涙目になりながら目線をあげると あれ? 『須王…ネクタイ歪んでる…』 「あ?…ああ、苦手なんだよ…悪い?」 『いや、悪くないよ。ほら、やってあげる』 須王のネクタイに手をかけ、 慣れた手つきで最初からやり直す。 そんなあたしを須王は黙って見ていた。