すると彼は満面の笑みを浮かべ、
「いえいえ!社長にも常務にも確認しましたが、僕が配属されてからここは秘書課になるそうです。ですから、沖課長が課長となるのは当然の事ですよ?」
なんて流暢に説明しだした。
……はい?!
「――山口君?私はそんな話は聞いてません。」
すると彼は、白々しい位の驚いた表情を見せ
「そんなはずはありません!」
なんて首を横に振っている。
はぁぁぁ…。
正直、面倒臭い。
今日何度目か分からないため息をつきながら、ガックリと肩を落とす。
「分かりました。今社長に伺って来ますね?」
冷静に勤めて、柔らかい口調でそれだけ告げ、慌てて社長室をノックする。


