それでもあなたに恋をする


「山口君…ふつつか者ってあなたね―」



なんだか怒りが込み上げて来て、ついつい勤務中とは思えないトーンで話してしまう。



すると、それを見ていた社長がくすりと笑う。


「沖さんに冷静さを失わせるなんて、山口君はやり手ね?」


楽しそうに、そんな事を呟きながら。




「お褒めに預かり光栄です。」


そして山口君は社長に向かって丁寧にお辞儀をする。



はあぁぁぁ……。


私、明日から出社拒否しそう…。