「新入社員の皆さん、我社にようこそ。面接でお目にかかりましたが改めてまして――社長をしております二宮と申します。――…」
社長は五人の新人に笑顔で語りかけ、当たり障りのない挨拶をした。
その挨拶が一段落して
「では、新入社員の皆さんお疲れ様でした。前に立ち続けるのも大変でしょうから、先輩方と同じ席へお戻り下さい。」
私がそう促すと、新人さん達はほっとした表情を浮かべ、他の従業員と同じ位置に置かれている椅子へと移動する。
それを確認してから、社長は深呼吸をした。
いよいよ先輩にとっての本題に入る。
「……!?」
ふと、ホールの舞台反対側を見ると……後ほど呼ばれるであろう常務と、何故か山口望君が立っていた。


