かなり年下の彼に、一瞬でもドキッとした自分がなんだか情けない。


はぁぁぁ〜。


心の中でため息をついた。

愛情不足かな……。



パチパチ――と会場から拍手が聞こえ、自己紹介が終わったのだと気づいて我に返る。



しっかりしなくちゃ!


軽く息を吐き、ゆっくり会場に目を向ける。


「――とてもフレッシュな挨拶、有り難うございました。では、続きまして社長の――」


言いながら目を向ける。


こういう場面に慣れているはずの社長が、緊張しているのが分かる。

両手を合わせ、ギュッと力を込めていた。



「――社長、お願いします。」


頑張って。

そんな気持ちを込めて、笑顔で先輩を迎えた。