「あれ、聡くん?」
 男の人が居るには不似合いな場所に、同じクラスの木嶋聡がそこに居た。


「あっ、岬…」
 困ったように、照れたように、真っ赤な顔をして、だけど、私から目を逸らす風でもなく、聡くんは私に答えた。


「聡くんて、こういう本…」
「いやっ、違くて!」


 いつも穏やかな聡くんは、実は、私の妄想のおかずだったりする。
 だから、この場にいても私にとっては違和感はなく、むしろご馳走様。と言いたいくらいで、心の中で密かにワクワクしてしまう。


 なんのことを言っているのかって?
 それはもちろん・・・・・・。