君の声【短編】

 
「お疲れさまでした」

彼女は来なかった

閉店時間まで待ったが
現れなかった

きっと急な用事ができたんだ

そう思った
そう言い聞かせた

自分自身に
暗示をかけるように繰り返した

明日は来る
絶対に来る

そう繰り返した