「都心で(こんな状況でも)人が集まりそうなところ・・・」こんな状況だからこそ、人が集まりそうなところはどこだろうか・・・


混乱の時からかなりの時間が経過してしまっている。

避難だとか、病院に駆け込む、と言う時期ではもう既に無いだろう。


最悪、一人ひとりに声をかけて行くしか無いのだろうか・・・。


しかし、これだけ時間が経っているのだから、どこかで誰かしらが生き残った人々をまとめ、これからの生活について考えていることだろうと仮定しておくことにした。

だが、そこには加わりたく無い思いが私にはあった。


以前から組織人として生きてきた私だが、サラリーマンには本当に向いていないと自他共に認める人間であった。

だから、既存の新組織にすんなり順応出来るとも思えなかったし、こういう環境になってしまったからにはゼロスタートしてみたかったのだ。


そろそろ都会の街と言えるあたりに来たので、注意深く周りを見渡しながらゆっくり進むことにした。


ここはもう少しで六本木に差し掛かるあたりだ。