言いながら、クラス委員はいやいやいや…と手を振る。
「まぁ机に乗ってたかもしれねぇじゃんって言われたら困るんだよ、正直」
そう言って、地面に向かってため息をついた。
「やっぱり願望だな」
クラス委員は力なく笑った。
ここまで、特に何も言えないでいる自分が申し訳なく思えた。
クラス委員は根拠なく俺を信頼して、腹の中を包み隠さず話してくれる。
俺にもあった。
クラス委員に話そうと思ったことが。
「あのさ」
「ん?」
「保坂さんかも」
唐突な一言に、クラス委員は一瞬驚いた顔をして、ふっと息を吐いた。
「そっちなら…根拠はあるんだよな?」
「うん、クラス委員にはちょっと厳しい話かもしれないけど」
今度はクラス委員が首を傾げた。
彼なら受け止められる。
俺も根拠なくクラス委員を信用した。
「保坂さんは、パネル作るの参加したがってた」
ごくん、とクラス委員の喉が鳴ったのが聞こえた…気がする。
間違いないのは、この空気に緊張感が増したということ。
俺は、夏休み保坂さんと会ったときのことを話した。
俺が心ない言葉で傷つけてしまったかもしれないことも。
