17-セブンティーン-



「あるのか、根拠」


クラス委員は俺に圧倒されて
「え…うん、まぁ…」と言葉を詰まらせた。

クラス委員は、ふうと一息つき

少しうつ向いて、顔を上げると同時に、鼻あてを直した。


「切り裂かれてたろ、パネル。

あれ下から上じゃなくて、上から下にばってんだった」


俺は首を傾げた。

クラス委員の言いたいことがちっともわからない。


クラス委員はそれを察したようだった。

「上から下、上から下」と言いながら、指でバツを書く。


「位置的に、保坂さんの身長じゃ合わない気がするんだよな…」


論理的な解説に押されて、俺は切り裂かれたパネルを思い返してみる。

しかし結構ショックだったのもあって、そこまで細かく思い出せない。


「結構高いところから始まって、ゴールが俺の膝より高かったんだよ。

俺らより長身のやつじゃねぇかと」


思い出したのは、食い入るようにパネルを見ていたクラス委員の姿だ。


「立て掛けたままの状態だったのは間違いないんだ。

男数人で抱える重さだからな」