昼休みに、武道場に朝の数人でパネルを運び、
本当に間に合って…終わったんだなと伸びをしたい勢いだった。
「おつかれ」
クラス委員が声をかけてきた。
「あぁ、本当おつかれ。お姉さんも」
俺の《お姉さん》という単語にクラス委員は笑った。
「なぁクラス委員」
「やめろよ、さっき2学期のクラス委員決まったばっかだろ」
「じゃあ元クラス委員」
「なんでそこ譲らないんだよ…」
クラス委員は呆れた顔をした。
「パネル、誰だと思う?」
唐突に切り出してみた。
クラス委員も意表をつかれたような顔をした、一瞬。
そしてはっきりと言った。
「保坂さんじゃないよ」
俺たちの中に沈黙が流れた。
俺は数回咳払いする。
また緊張している。
「それは…根拠があって言ってんの?
それとも願望?そうであって欲しいっていう…」
クラス委員は「うーん」と言いながら天を仰いだ。
そして「半々かな」と笑った。
「ちょっとだけ根拠はある。
でも、クラスのやつらの前で言えなかったから、正直疑ってる側の人間と大差ない」
俺は意外な返事につい、クラス委員に詰め寄った。
