17-セブンティーン-



昼休みに、武道場に朝の数人でパネルを運び、

本当に間に合って…終わったんだなと伸びをしたい勢いだった。


「おつかれ」


クラス委員が声をかけてきた。


「あぁ、本当おつかれ。お姉さんも」


俺の《お姉さん》という単語にクラス委員は笑った。


「なぁクラス委員」

「やめろよ、さっき2学期のクラス委員決まったばっかだろ」

「じゃあ元クラス委員」

「なんでそこ譲らないんだよ…」


クラス委員は呆れた顔をした。


「パネル、誰だと思う?」


唐突に切り出してみた。

クラス委員も意表をつかれたような顔をした、一瞬。

そしてはっきりと言った。


「保坂さんじゃないよ」


俺たちの中に沈黙が流れた。

俺は数回咳払いする。
また緊張している。


「それは…根拠があって言ってんの?

それとも願望?そうであって欲しいっていう…」


クラス委員は「うーん」と言いながら天を仰いだ。


そして「半々かな」と笑った。


「ちょっとだけ根拠はある。

でも、クラスのやつらの前で言えなかったから、正直疑ってる側の人間と大差ない」


俺は意外な返事につい、クラス委員に詰め寄った。