17-セブンティーン-



次の朝、時間通りに集合して無事に教室までパネルを運んだ。

教室に入るとどこからともなく『おー』という声と拍手が起きた。


元の様に後ろに立て掛ける。

俺はパネルを見上げた。


「間に合ったんだな」


振り向くと隣に賢が来た。

賢は腕を組み、まじまじとパネルを観察する。


「何人くらい集まったんだ?」

「10人ちょっと」

「へー。何時までやったの」

「5時半は回ってたかな、6時まではかからなかった」


賢は組んでいた腕を腰に当てた。


「ふーん」


なんだか可笑しそうだ。

何が楽しいのだろう。


「クラスのことだからな。協力出来ることはしようかと」


俺は体ごと賢の方を向けて言った。


「それからバイト行ったの?」

「…まぁ」


賢は1度も俺を見ていない。

俺は、今賢が何を思っているかわからない。


「完成させて、まじで持って帰って、今日持って来て…

スゲーなぁ、クラス委員」


適当な相槌を打つかのようにぽつりと呟き、ポンっと俺の肩に手をおいた。


「あと、お前も」


賢は笑っていた。

ただ何となく…いい気はしなかった。