次の朝、時間通りに集合して無事に教室までパネルを運んだ。
教室に入るとどこからともなく『おー』という声と拍手が起きた。
元の様に後ろに立て掛ける。
俺はパネルを見上げた。
「間に合ったんだな」
振り向くと隣に賢が来た。
賢は腕を組み、まじまじとパネルを観察する。
「何人くらい集まったんだ?」
「10人ちょっと」
「へー。何時までやったの」
「5時半は回ってたかな、6時まではかからなかった」
賢は組んでいた腕を腰に当てた。
「ふーん」
なんだか可笑しそうだ。
何が楽しいのだろう。
「クラスのことだからな。協力出来ることはしようかと」
俺は体ごと賢の方を向けて言った。
「それからバイト行ったの?」
「…まぁ」
賢は1度も俺を見ていない。
俺は、今賢が何を思っているかわからない。
「完成させて、まじで持って帰って、今日持って来て…
スゲーなぁ、クラス委員」
適当な相槌を打つかのようにぽつりと呟き、ポンっと俺の肩に手をおいた。
「あと、お前も」
賢は笑っていた。
ただ何となく…いい気はしなかった。
