17-セブンティーン-



「みんな、腹減ってるとこ悪いな。俺の急な提案に合わせて集まってくれて感謝するよ」


クラス委員はここで一度、頭を下げた。


「明らかに悪意のあるイタズラだとは思うけど、何てことはない。

さっさと済ませて、夕方のドラマの再放送には間に合わせようぜ」


軽いジョークに雰囲気が和やかになり、早速作業を開始した。

画用紙を千切るグループと、貼り付けるグループと分かれた。

俺は貼り付けるグループ。


「に、西原くん」


顔を上げると、千切った画用紙を持った橘さんがいた。


「今日はバイトないの?」

「いや、まだ時間あるし…キリが悪かったら先に帰らせてもらうけど」

「そっか」


彼女は俺の隣にしゃがみこんで、「これ…」と画用紙を渡してくれた。


「ありがと」


彼女は動かなかった。


「ひどいよね」

「え?」

「パネル…こんなことするなんて」

「…」


橘さんはぎゅっと手を握りしめていた。

返事出来ずにいたら、後ろから「咲希~」と呼ばれ、橘さんは返事をして行ってしまった。