17-セブンティーン-



バイトから帰った夜。


「おかえりー」

「おかえりー」


お袋と陽介の返事。

日付が変わる時間帯、すでに里香は寝ている。


「ただいまー」


靴紐をほどくのも一苦労だ。


「おかえりー」

「うん、ただいま」


居間へ向かうと、パック中のお袋。


「おかえりー」

「た…ただいま」


部屋の隅で、里香がすやすやと眠っている。

起こさないよう、俺は静かに荷物をおいた。

お袋は立ち上がり「ご飯にする?」と聞いてきた。

俺は「いや、先風呂」とだけ答え

蛇口をひねり、水を注いで飲んだ。


あぁ暑い。


俺は制服の長袖シャツを脱いだ。


浴槽に入ると空腹と眠気で、無駄に動きたくなくなって

無駄に長風呂になる。


そのとき


「英治ー開けるわよー」


と同時に風呂場のドアが空いた。

超慌てた俺


「シャンプー切れてたでしょ」

「…」


お袋はシャンプーの容器を手に取り、中身を詰め替えて何事もなかったかのように出て行った。


しばらく硬直していた俺も、風呂から上がった。