17-セブンティーン-



「うわっ!」


思わずすっとんきょうな声を上げる。


「え…なに?」

「…別に。」


クラス委員は意味深にフッと笑った。

俺があんまり名前を覚えてないことバレたか?


「ちなみにさ」

「え?」

「バイトの曜日とか決まってんの?」

「え?あ、いや…平日は夕方からだから、昼はあいてんだよ」

「で、土日も行くのか」

「まぁ…その予定」

「ふーん」


クラス委員は顎を撫でて、ぽつりと言った。


「なんで?」


今度は俺が聞き返す。


「いやー…ちょっと動いてもらおうかと思っただけ」


クラス委員は俺を見てまた笑った。


「でもやっぱりやめた」

「なんで?」

「やっぱり度胸がないから」

「度胸?」

「ごめん、からかっただけ」

「なんだそれ」


俺が困惑すればするほど、クラス委員は楽しそうだった。

俺の肩ををポンと叩いて行ってしまった。

取り残された俺は、煮え切らないままひとりになった。