「うわっ!」
思わずすっとんきょうな声を上げる。
「え…なに?」
「…別に。」
クラス委員は意味深にフッと笑った。
俺があんまり名前を覚えてないことバレたか?
「ちなみにさ」
「え?」
「バイトの曜日とか決まってんの?」
「え?あ、いや…平日は夕方からだから、昼はあいてんだよ」
「で、土日も行くのか」
「まぁ…その予定」
「ふーん」
クラス委員は顎を撫でて、ぽつりと言った。
「なんで?」
今度は俺が聞き返す。
「いやー…ちょっと動いてもらおうかと思っただけ」
クラス委員は俺を見てまた笑った。
「でもやっぱりやめた」
「なんで?」
「やっぱり度胸がないから」
「度胸?」
「ごめん、からかっただけ」
「なんだそれ」
俺が困惑すればするほど、クラス委員は楽しそうだった。
俺の肩ををポンと叩いて行ってしまった。
取り残された俺は、煮え切らないままひとりになった。
