17-セブンティーン-



ある日の昼休み、クラスの女の子が俺に声をかけてきた。


「日にち変わってくれないかなぁ」


体育祭のパネル作成のスケジュールの話だ。

特に都合の悪い日ではなかったので、「いいよ」と返事し、クラス委員の元へ向かった。

女の子が委員に話をつけると、委員は、自分の手持ちのスケジュールを確認するなり、その女子に「了解」とひとこと言った。

女の子はクラス委員に「ありがとう!」と言うと、嬉しそうにグループへ戻って行き、ひとりの別の女の子の背を叩いた。


「さき!やった」


戻ってきた女の子に、別の女の子が「しーっ!」っと人差し指を立てる。


ふとその子と目が合い、彼女はハッとして俺から視線をそらし、みんなと一緒に教室を出てしまった。


やべ……俺…………

夏休みを目前にして


女の子の名前を覚えて無さすぎる。


スケジュールに目を移す。

さき…さき…さき…

あぁ《さき》って《咲希》?

名字は…橘さん、かな。

たった今交代した日に一緒になるようだ。

問題解決し顔を上げると、近距離でクラス委員が俺をガン見していた。