17-セブンティーン-



「気分転換だよ。そりゃゴキゲンになるのは当たり前だろ」


賢は「あー腹いてー」とへらへらした。

気分転換…。

じゃあなんだ?賢は本気じゃないのか?

ということは先輩も…?


翔太(と俺)は《納得いかない》という台詞を我慢した顔をした。


午後の授業もあまり頭には残らず、放課後を迎えてしまった。

怪我が治まるまで、ノートは隣の女の子にコピーさせてもらえることになった。

賢はいろんな意味であまりノートを取らない。
必要な分しか取らない。

翔太は全くノートを取らない。
提出のあるテスト前に慌ててるタイプだ。

こういうとき、女の子の存在が大きい。


そしてまたふと

保坂さんのことが頭をよぎる。

そして追っ払う。

案外、家庭教師とか雇ってるかもしれない。

追っ払いきれてない。


今日もあれから戻って来なかった。
保健室にいるのかな。

あのお姫さまのキラキラに感動してるのかな…って


全く追っ払いきれてないぞ、俺。