17-セブンティーン-



賢は俺と翔太の間に割って入り、
「怪我どうなの?」と聞いてきた。


「なに?折ったの?切ったの?剥けたの?」


賢の表現に翔太が苦い顔をする。


「そのカテゴリーに分けるなら、剥けた?火傷した」

「火傷?なんで?料理でもしたのか?」

「バイトでちょっとな」

「あぁ、バイト…」


賢は納得したように頷き、ペットボトルを開けて飲んだ。

翔太が賢に
「飯は?」と聞くと

賢は「もう食った」と短く答えた。


「どこ行ってたんだよ~」


さっきの俺の質問を、今度は翔太がする。


「プラっと」

「わかるように言えよ!」

「いいだろ別に」


賢は適当に流すこともなく、ただ返事を拒否した。

翔太が賢を睨む。


「怪しいんだよ」

「なにが?」

「賢、サボった後いっつもゴキゲンだもんよ!」


翔太は一呼吸おいて続けた。


「女だろ?な?」

「…」


あはははははははっ!


賢は派手に笑った。


「なんだよ!」


翔太の顔がみるみる赤くなる。


「いやー、お前もなんかいろいろ考えんだなって。その回路がとんでもねーけど」



賢は涙を拭った。