17-セブンティーン-



朝、学校に遅刻の連絡をし、制服を着て病院へ行った。


朝からぼちぼちお客さんがいて、少し待たされた。

待たされた割りに、診察は簡単に終わり、塗り薬をもらって学校に向かった。


今はちょうど、1時間目の終盤くらいだ。

誰もいない通学路や、静かな校舎がなんとなく新鮮だった。

すると、チャイムが鳴って休憩時間になった。


2時間目の授業なんだっけ…


思いながら校舎に向かうと、視界の端を、人の影が横切った。

反射的に振り返ると、保坂さんだった。

ドロップアウト、したのかな。

とりあえず気づかれる前に行こうとしたら


「にしはらくん」


無視すればいいものの、立ち止まって振り返ってしまった。

そんな俺の腹の中を知らない保坂さんは、笑顔で手を振り小走りで寄ってきた。


「今日、どうしたの?」


なんとなく視線をそらして返事をごまかすと、保坂さんは俺の右手の包帯を見つけて


「けが?」


と心配そうな顔をした。


「いや別に…」


沈黙の刹那に保坂さんは


「あ、この前、プリントありがとう」


と笑った。