後ろめたいことは嫌だ。
悪いのは俺だ。
でももう関わりたくない。
きっと厄介事を押し付けられるようになって
いつの間にか厄介者扱いをされてしまうかもしれない。
保健室にしか居場所がないなんてことになったら?
お姫さまと宇宙人の顔…
なぜだろう、あんなに強烈な印象だったのに思い出せない。
ただ、俺を見る目が冷たかった。
あそこの住人は異様だ。
包帯を巻くと「お兄ちゃんまだ?」と里香の声がした。
「もういいよ」と声をかけると、ぱたぱたと小走りして寄って来た。
「痛かった?」
「ちょっとね」
「よしよし」
里香は俺の手を、優しく撫でた。
俺は里香の頭を撫でた。
「お兄ちゃんにあげる」
取り出したのは、キャラメルだった。
里香は俺を見上げてにっこり笑った。
「ありがと」
そのまま食べると、甘い味が広がった。
なんとなく、体が重く感じた。
寝転がって、瞼を閉じる。
考えるのが嫌になって、そのまま眠ってしまいたいと思った。
