17-セブンティーン-



風呂から上がり、包帯を変えようとすると


「…」

「里香」

「なぁに」

「見ない方がいいと思う」


あっち行ってろ、と顎で指示すると、眉毛をハの字にしてくるりと向こうを向いた。

それを確認して包帯をはがす。


「~っ」


やっぱり里香に見せなくてよかった。
思ってたよりひどい。

あー…痛いなぁ…


傷は乾かさずに、潤った状態に保つと痕が出来ずに綺麗に治るらしい。

まぁそんなこと言ったってな。
出来ることは限られてる。

俺は軟膏を指にとって、そっと患部に塗った。

傷口にすごくしみて、涙目になる。


でも、さっきの新人に嫌みを言わなくてよかった。

頑張ってでも笑顔作ってよかった。

食べ物運ぶのって、結構力もいるし、集中するから神経使う。

まだ慣れないから、失敗してもしょうがない。


これは罰が当たったんだ。


放課後の保健室での出来事が頭をよぎる。

やっぱり保坂さんに対する態度は、間違いなく八つ当たりだ。