17-セブンティーン-



悪いことは続くものだ。


「西原くん…大丈夫?」


店長がバツの悪そうな顔をしながら、俺の顔を見る。


まだ仕事に慣れない新人がぶつかってきて、俺が運んでいたアツアツのハンバーグが…

俺の、手に…


利き手に巻かれた包帯を見つめて、ため息が出る。

明日皮膚科行かなきゃなぁ~


平謝りしてきた新人には、大丈夫だと笑顔を向けて最後の気力を使った。

店長が心配してくれて、俺はそのまま帰ることにした。


「おにぃちゃんだいじょうぶ?」


家に着くと、俺の帰りを妹の里香が嬉しそうに迎えてくれたが、

包帯でぐるぐる巻きになった俺の手を見つけると一転、心配そうに顔を曇らせた。


「なに?兄ちゃん帰って来たの?」


奥から弟の陽介が顔を出した。


「おかえり。早いね兄ちゃん」

「おう、メシは?」

「冷蔵庫に煮物あるよ」

「もう食ったか?」

「うん」

「里香も?」


俺は足元にいた里香の顔を覗き込んだ。

俺の顔を見て里香はうん、と頷いた。