17-セブンティーン-



「ほら手塚くん、ちゃんと西原くんにお礼言わなきゃ」

「別に頼んでません」


先生の呼び掛けに、奴は顔もあげない。

横着な返事以上に、横着な態度で、横着がまかり通っているコイツは…

まかり通り過ぎて何だコイツ?
宇宙人か?


「でももらったじゃない」

「ついでです。僕の分もあるみたいだし。それに」


宇宙人の目は俺をとらえた。


「コイツもついでだったみたいだし」


久しぶりにイラついた。
思わず拳を握り

「お前…」


ガラガラガラ


俺の言葉を遮って、登場したのは


「にしはらくん」


保坂さんだった。

俺を見て目をぱちくりしている。

するとシャッとカーテンが開く音がして
「亜美ちゃん!」とさっきの女子生徒が出てきた。


「せんぱい」


保坂さんがにっこり笑う。

せん、ぱい……先輩?
このお姫さま、3年なんだ…。


「せんぱい!つめきれいー!」


近づいてきたお姫さまの手を取り、保坂さんはまじまじと爪を見つめる。

頬が少し赤みを増し、目が輝いていた。