17-セブンティーン-



しかし彼女は俺を見るなり、嬉しそうだった顔が一瞬で暗くなり、気まずそうにふせて行った。

しかもそのままベッドに向かって、カーテンをぴしゃりと閉めてしまった。


「ぷっ」


ん?

声がした方を見ると、高校生と思えない、小柄の生意気そうで嫌味そうな男子生徒が

一部始終を見ていたのだろう。
俺を見て笑っていた。


くっそ1年か。


顔面いっぱいに「嫌われてやんの」って書いてある。ムカつく。

その男子生徒はそのまま、広げていた本に再び目を落とした。

キューティクルで天使の輪まで出来てる、切り揃えられたさらさらな髪が尚更ムカつく。


「あら西原くん。どうしたの?」


奥から声をかけてくれたのが、養護教諭の永野先生だった。


「あっ、失礼します。保坂さんとあともう1人?にプリント渡すように頼まれて」


俺が言うと、ガタンと音を立てて、さっきの生意気そうで嫌味そうな男子生徒が立ち上がり

俺の方まで歩いて来て、俺を見ることなく、また口を開くことなく

俺の手からプリントをさっと1枚取り

また椅子に戻って、プリントに目を通すことなく鞄にしまった。


さてどこからつっこもうか。