パタパタパタ…


窓から飛び降りて、真下のチャリ置き場に着地し、クラスメイトは授業開始から約30分でドロップアウトした。


ちなみにここ2年A組は校舎の2階に位置する。


クラスメイトの一連の奇行が、この教室で日常茶飯事となった6月。

もう誰一人として《彼女》の席を振り返ったりしない。


50分間の授業が終わり、賑やかになる休憩時間。

養護教諭と教室に戻って来る彼女。

視線は落ち着きなく、養護教諭の腕にぎゅっとしがみついている。

その手に握られた、少し季節外れのタンポポ。


休憩終了と同時に2限開始のチャイムが鳴って皆、席に着く。

そして30分後、彼女はまた教室からドロップアウトするのだった。