「お前、3日前までバイトだったよな」

「詳しくは覚えてないけど…」


成績表に載っている順位は、学年順位だけではない。

クラス順位も載っている。


俺はクラス1位だった。


テストが返ってくるたび、教科担当が

「このクラスは平均が高い」

と誉めていたが、

多分、賢は少なくともクラス3位内。

翔太は10位いくかいかないかだろう。


賢はしばらく俺の成績表を握って

「さすがだな」と俺に返した。


翔太が頬杖をついた。


「英治なんで特進入らねぇの?」

「バイト忙しいし、勉強興味ねぇし」

「ふーん」


翔太が再び口を開こうとしたとき


「静かにして下さい」

と背の高い黒縁のいかにもなクラス委員が前に出た。


「9月の体育祭に向けて、応援団とチアのメンバーを決めたいと思います。

各3名ですが希望者いませんか」


体育祭、もうそんな時期か。


うちの学校は9月から練習が始まり、
演舞とダンスは夏休みに特訓を開始する。

だいたいメンバーは、クラスにいる《アツい》やつらで既に暗黙で決まっているものだ。