17-セブンティーン-



定食屋のドアをガラガラとあけると


「いらっしゃい!」


というおかみさんの元気な声が迎えてくれた。


もうすぐ2時を回る頃の定食屋は、お客さんはまばらで、少し落ち着きを取り戻している。


先生は適当に席に座り、水を2つ持って来てくれたおかみさんに


「生姜焼き定食、ふたつ」


と指を《2》にして見せると


「いつもありがとうございます」


とおかみさんは、伝票をおいて行った。


ここは、部活生も利用するらしく、安くてうまいと聞いたことがあった。

おごってもらう身分、メニューの決定権はなかったが、生姜焼きの他には、焼き肉定食、チキン南蛮定食、天ぷら定食など…

翔太は『唐揚げがうまい』って言ってたな。


「バイトはいつからだ」

「はい、あ、明日からです」

「じゃあ今日までゆっくりできるな」

「あ、はい」


俺は焦って水を含んだ。


「西原は、就職希望だよな」


やはり、担任と2人ともなると進路相談の流れになるか。