17-セブンティーン-



自分がトイレ行きたかったから
おしめの話をしたのだろうか?

まぁいいか。
俺はまだ小さな陽介の手を取り、トイレに連れていった。

ある決意が、固まっていた。


お袋が退院して、赤ちゃんと父さんは初めての面会が叶った。


『里香』


父さんの腕の中ですやすやと眠る里香より、父さんの方が幸せそうだ。

家族が揃った。


そしてまた別のある日

いつも陽介を連れて行く父さんのお見舞いにひとりで行って


『英治ひとりか?』


と聞きながらも、嬉しそうな顔を見せてくれる父さんの前で、俺は帽子を取った。


『…英治!頭…』


俺は丸坊主にしていた。

父さんは口が開きっぱなしだった。


『父さんと一緒にしてみた』

『英治…』

『父さんと戦いたいから』

『…』


父さんは初めて口を閉じると
涙がたまると同時に喉が鳴り、


『ありがとう』


と言うと同時に涙が頬を流れた。

父さんは俺の頭を撫でてくれた。
震えていた。