17-セブンティーン-



気まずい、と思ったとき
窓がきゅきゅきゅっと擦れる音がした。


音の方向を見ると、父さんがガラス越しに赤ちゃんを撫でるように、手を動かし

その度に、ガラスがきゅっきゅっと鳴った。


『かわいいな…!男の子だけどかわいいな…!』

『うん…!』


男の子であることを示す水色の札には《西原ベビー》。


西原ベビーはさっきからあくびばっかりしている。

愛らしい表情はどれだけ見てても飽きなかった。


赤ちゃんは陽介と名付けられた。


おしめは意外とそこまで至難の技でもなく
俺も父さんもわりとすぐに慣れて、難なく替えることができるようになった。


しかしこの陽介は、ちっちゃいのにかなりやんちゃで

おしめを替えるとき、キャッキャ言って足をバタつかせ

食べ物を口に運んでやると、ちょっと視線をそらした隙に
べろっと口から吐き出してはキャッキャ言って…


まるで人の困った顔が楽しいかのよう。


『男の子って…モンスターそのものだな…』

『うん…』