みんなが、それぞれの持ち場に向かう中、私だけ足が動かない。 「奈子ちゃん…」 心配そうに、お福さんが声をかけて来た時だった。 「お福さんは、自分の持ち場に行って。オレが案内するから」 そう言って、和史がやって来た。