早足で連れて行かれた場所は、人のいない小さな部屋だった。 「ちょっと、何するのよ和史!」 勢い任せに、腕をふりほどく。 せっかく、真ちゃんとの再会だったのに。 「あいつは、ここのライバル旅館の息子なんだよ。馴れ馴れしくするな」