彼の姿が遠くなって、

見えなくなると…





あたしは泣いた



声を殺しながら泣いた





嬉し涙





流せる心があったんだと、

少し安心する


涙なんか枯れたと思っていたし…




『琴美じゃないみたい』



友達が言った



『これが本当のあたしだよ』



薄く笑みを浮かべながら、

心の中で返事をした