「仕方ないじゃん学校だもん」
と応えると
「まぁ何でもいいから家に来い」
そう電話を切る雄二
私は頭をぐしゃぐしゃにし
ハァーッと大きな
ため息をした

約束の放課後
雄二の家の前で待つと
雄二が後ろに立っていた
その瞬間..

「嫌ァー!!!」
私は大声を上げ
下にしゃがみ込み
うずくまった...
怖い、又襲われる..
あれ以来私の身体は
人が後ろに立つだけで
恐く感じ
うずくまってしまう

「どうしたんだよ?」
と軽く声を掛ける雄二を
私は悲しく睨む

もうあの頃のように
笑えない笑顔って
どうやってするんだっけ?..

家に連れ込まれ雄二は
さっそく
私の鞄に手を出し
財布を抜き取った
「うぉ!こんなに
金が入ってんじゃん」
満足気に笑い
私に空財布を投げ捨てた

私はもう盗られる辛さより
早く解放されたかった

「ねぇ、雄二
その金で手を切ってよ」
そう言うと雄二は
こちらを睨みつけた
「はぁ?手切れ金?」
甲高く声を上げ
私を壁に押し付け
「お前は俺の奴隷だろ?」
そう鼻で笑った

「じゃあ親に言う!
今までの事も全部
そしたら雄二、ただじゃ
済まないね」
そう薄ら笑いで言い返した

雄二は親を凄く
恐がっていた事を
思い出し雄二に告げた

雄二は壁に押し付けた私を
離し顔が青ざめ
床にしゃがみ込んだ
「ざけんなよっ」
頭を抱え力無く言っていた

そうして雄二から
解放された私は
自由になった__