それからは何事もなく平和な夏休み…にするはずだった。







「くっそう…
あたしの夏休みENJOY大作戦がぁっ」

「仕方ないじゃん。
そういう運命選んだのは由依なんだから」

紗南が少々呆れ気味に言う。

「なんで夏休みまで楽器吹いてなきゃなんないの?!
吹くのはいいよ?!でも,毎日一日練はキツイ!
こんなダサいジャージまで着せられて…っ」

「阿呆由依。
吹奏楽部はまだましだよ?
サッカー部とかバスケット部なんてこんな糞暑い日にだって体動かしてんだよ?」

「ぶーっ…
福田って人バスケ?サッカー?」

紗南が怒ったので無理矢理違う話題提供。

「福田?陸上。
っていうか別れたって言わなかった?」

…って

「別れたんかーい!」

「うん。
今付き合ってる人いるし」

はっ早ぇぇ…!

「ダレ?」

聞かなきゃ良かったのに,訊いてしまう人間の本能。

「ん…ゆーじ。
木村 勇二」

Why?

「きっ木村?!」

っていうかいうと紗南は少し照れて

「うんっ//」

と肯定した。

木村!?
あんなの絶対ダメ…!