「どうしたの、これ…」

「友だちに譲ってもらった。今日遅れた理由は、こっち」


椎葉は、あたしの手にお茶のペットボトルを渡してきた。


「ぇ、いい、の…?」

「喉乾くだろ?」

「…ありがと」

「どういたしましてっ! じゃあ、行くか」


椎葉は、あたしの歩幅に合わせてくれて、ゆっくりと歩く。


なぁんか…調子が狂う。


「三吉って、なんで兄貴のこと好きなの?」

「いきなり、なに…?」

「いや、今時珍しいなぁ、と」


なにそれ。

まぁ、いいけどさ。


コイツには、あたしがお兄ちゃんのこと大好きってバレてるし。



「カッコいいし、優しいから」

「それ、三吉のタイプ?」

「まぁ…」