【完】好きじゃない。






椎葉は、よくあたしに話しかけてくる。

授業の時限定で。


あたしが人見知りなせいか、クラスの女の子達とは、ギクシャクしてたり。


「…いいの?」


椎葉はコクっと頷いた。


「彼女さんにあげるんじゃ…」

「彼女? 俺、彼女なんかいねーよ」

「佐々木さん、は…?」


彼女じゃないの…???


「佐々木? 違う違う! ははっ! まぁ、毎日話してたらそう見えるかっ」

「…」


椎葉は、優しく微笑んだ。


「ん、あげる」

「…あり、がと」


椎葉は、ニッと笑う。



あたしは、この笑顔が好きなんだ。


この、心を温める、


彼の笑顔が──。