ある年の11月29日に、私はこの世におとされた。特に障害はなく、順調に育っていった。


私のキオクがあるのは、幼稚園の頃。
その頃から髪の長かった私は、母に髪を結って貰うのが大好きだった。
ある日は三編みに、ある日はツインテールに。
それを見た人たちから、「可愛いね」と言われるのが何よりも嬉しかった。


私のその頃のトモダチは、笹木夢実という女の子。彼女とは、今でも交流がある。
夢実は、私の細い三編みに憧れ、母に私と同じように三編みにしてほしい、と頼んだところ、私とは正反対の太くて短い三編みになってしまい、泣きべそを掻いていたのを覚えている。