美風もずっと俊くんが好きだった。

由美が俊くんを好きで、
俊くんは由美が好きなのだとわかって、
好きだった気持ちも一気になくなっていた。


美風が好きになった人はみな由美が好きだった。

きっと男だったら、由美を選ぶ。

可愛いし、スタイル良いし…。

でも、美風はそれが辛かった。

親友だからこそ余計に。


「ところで美風は好きな人いないの?」

「いない。」

「マジで?もうお年頃なんだから美風さんそろそろ彼氏つくんなさいよ。」

「由美さん、うっさい。まぁ、そのうち。」

「亮いいじゃん。あいつ美風の事、好きなんじゃない?」

「亮とはそういう仲じゃないの。あいつとは…」

そうあいつとは由美の話をしてただけだ。

亮が由美を好きだから、その相談だったのだ。

由美のタイプではないらしく、亮に対してはそっけなかった。

亮は諦めたらしく、もうあまり話す機会もない。

美風も亮は男としては魅力を感じてはいなかった。

「あいつとは?」

「興味ない。」

「毒舌~。美風のタイプは?」

「お金持ちで、かっこ良くて、優しい人」

「マジ、一生無理!!」

「理想だからいいの。」美風は口を尖らせた。

「白馬の王子様さがしてるの~ぐらい無理。」

「うっさい。」

ぷっ。二人は笑い始めていた。