啓祐は口惜しげに唇を噛んで、涙を瞳に溜め始める。 「……」 啓祐が誰よりも愛しい…ーー でも俺は……海の彼方に居る敵艦体に向かって命懸けで突っ込んでゆく。 生存する可能性はないに等しい。 「すまない…啓祐…お前の気持ちも考えずに……」 お前がどんなにお国の為に俺と一緒に出陣出来なかったのを悔やんでいるか忘れていた。 お前の方が俺より…正義感も愛国心も強かった。