「顔、見ろよ。」




怒ってるのが声だけでもわかる。


「今、忙しいから。」


でも、決意が揺らいでしまいそうだから、私は振り向かない。


「無視すんな。月姉のくせに。」


「言っとくけど、私はあんたの『お姉さま』、なの。くせに、とか言わないで。」




しばしの沈黙が流れたけど、私は構わず作業を続けた。