野球もそろそろ終盤だろうか、 じりじりと頭部が焼ける ような暑さにうなりながら 俺は前でずらぁ―っと並ぶ 人ごみを見つめて思っていた 人の壁で野球が1ミクロも 見えない、 応援する気はサラッサラない だからいいのだ、見えなくても 俺はぼんやりしながら 相変わらず背伸びする 瑠ヵに視線をおいた やっぱデカい、 応援帽からでている ポニーテールの先っちょが 小刻みに揺れている 「うおおおおおおおお!!」 急にあがる声援に 下を向いていた和也の肩が びくん、と反応していた