鞄から携帯を取り出して、データフォルダを開く。
最近はホント、便利な世の中になったんだろう。

特に電子機器。


データフォルダの中には、渡貫さんが持っていった三枚の写真の画像。
朝方、事前に携帯で写真を撮っておいた。

先に断っておくが、変な趣味で撮ったわけではない。
そういう趣味は無い。断じて無い。
あるとしたら、極度の美少女好きぐらいだ。
美人はいいよね、うん。

ただ、何か気付いてないところがあるかどうか、後で分かるかもしれないと思っただけ。
気まぐれの、探偵ごっこ。
犯人退治を試みているわけではない。

そんな物騒なものは警察のお仕事だ。
餓鬼が邪魔をするものじゃない。



―ただ。

母親が、生きているかもしれないのなら。


それを探してみるのも、
…いいんじゃないかな。

――娘として。