斯くして、刑事さんは帰っていった。

お代は彼持ちである。
『女子高生とのお喋り代だと思えば、安いものですよォ、んふふ』とのことらしい。

理由は何であれ、有難い。

店内には、店員さんを除けば、新たに入ってきたおじさんと私ぐらいしかいない。

今日は夕方少し前からバイトがある。

今は昼前。

バイト前に夕飯の材料とか買ってこよう。
窓から見える外は、暖かいという言葉が不適切な、射るような日差しが地面をねっとりと包んでいる。

まだ春だと思うんだけど。

…見るだけで暑い。

散歩しているワンちゃんとか、大丈夫なのだろうか。
そんな景色を見て心良く外に出たいとも思えず。
あと2・3分店で涼んでいよう、と怠惰と椅子にもたれている私であった。
だるー。

「…ぁ」
その前に一応、確認しておこう。