「でも、水貴じゃないです」
証拠も何もないけれど。曖昧で不確かな。
ただの、根拠のない確信。

「…随分言いきりますね。それほどまでに信用しているんですかねぇ」
「……」

頬杖をついて、ふぅとため息を吐かれた。
視線が合い、舐めつけるような眼球から顔を背けたくなる。

「…似てますね」
……、「は?」
「あの少年と鈴原サンですよ」
「…あぁ」水貴のことね。坊やから少年に格上げしたなぁ。
「あの少年を見たとき、鈴原サンが学ランを着ていると思いましたよ」
「あぁ…、顔が瓜二つですからね。」水貴の方が若干イケメンだけど。
「いえ、外面じゃないです」
「え?」
「アタシが言ったのは中身、ですよ。
貴方は、――空虚で、曖昧で、不安定すぎる。」
「――…」
「鈴原サンは、それを自覚している。――…それも無意味に。故に、人の皮を薄皮だけ被り、普通の人間であるように振る舞っている。
…だけれどそれすらも、上辺だけ。本当は人としてあることにも、意味を感じていない。」
「……」
「鈴原サンも、あの少年も、それが振る舞いや目線に滲み出ている。」
「………………………………………………………………………、」早く何か答えろよ、私。